SESはやめるべき?未経験からの客先常駐エンジニアに待ち受ける現実

SESの実態 アイキャッチ プログラミング

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どうも、なおや(naoya2_2)です。

しばらくブログの更新が途絶えていたのですが、ここ一年間くらい仕事面でいろいろな変化がありまして人生の方向性が変化してきました。

で、タイトルにあるように今はSES企業でエンジニアをしています。
※SESを経て今はフリーランスエンジニアとして現場常駐しております

今はエンジニアになりたいという声が多くプログラミングの勉強をしている人も多いと思うのですが、正直未経験から自社開発企業に就職するのは敷居が高くまずはSESで働こうという人も多いのではないでしょうか。

そんな中、ネットでSESについて調べるとこんな情報が出るわ出るわ、、

  • SESだけはやめとけ
  • ブラック企業が多い
  • 使い捨てにされるだけ

いろんなネガティブ情報が出るわけですが、実際はどうなのでしょう。

そこでこの記事では、SESの実態をできるだけ細かく書いていきます。僕も過去にSESの社員として現場常駐をしていた経験があるので、説得力はあるんじゃないかなと思います。

これからエンジニアになりたい人、SESを選択肢の1つとして考えている人はぜひ参考にしていってください。

【著者プロフィール】
高橋直也(@naoya2_2
フリーランスエンジニア。SEとして主に某企業顧客管理システムの開発、改修を担当している。ブログでは30歳未経験からSESを経てフリーランスになった経緯等を発信中。

【結論】未経験SESは超ハード。自尊心をえぐり取られる

雨

いきなりの結論なのですが、僕の実体験としてSESは超ハードです。ネット上に書かれていることはほぼ事実だと思っておいたほうがよいでしょう。

僕自身まだSESで現場に入って半年ほど(執筆時点)ですが、分からないことだらけでしんどいことも多く自尊心をえぐられることも多々あります。

未経験なのに「出来るやつ」と思われて現場に入る

SESで配属される現場というのは、基本的に即戦力になる人を求めています。

もちろん現場でのプログラミング教育なんてものは無いし、現場に入ったら即「これをこう直しておいて」と仕事を振られます。

それもそのはずで現場の人は「出来るやつ」が入ってきた、と思うからです。

というのも現場の人から見たら即戦力を求めて求人を出し、そこに応募してきた人があなただから。面談をして通過してきた人があなただから。

こんな状況なので基礎を教えてくれる人はほぼ皆無で、ゴリゴリのエンジニアが普段こなしている仕事をしょっぱなから任されるわけなんです。

何をすれば良いのかさっぱりわからん・・・

こうなること必至。

徐々に現場の人から「あれ、こいつなんか様子おかしいな」を勘付かれるごとにどんどん自尊心はすり減ります。

「出来ないやつだ」とバレれば即切られる

上記の過程を経て、いよいよ「出来ないやつだ」とバレればすぐに現場から退場させられます(切られる)。出来ないやつに支払う金はないということですね。

未経験SESでツライことの1つに、分からないことを聞きにくいということが挙げられます。というのも、聞いたら聞いただけ出来ないことがバレて切られやすくなるから。

わからない→聞けない→仕事進まない→わからない→・・・

このループに入りやすく、苦しむ人が多いという現実があります。

たしかにエンジニアとしてのキャリアをスタートさせる選択肢の1つにSESを選ぶのもアリだとは思いますが、最初は相当苦しむことになるということが覚悟しておきましょう。

会社によっては経歴詐称が常習化

不満

SES企業で働くことを少しでも考えているのであれば必ず覚えておいてほしいことがあります。それは会社によって「経歴詐称」が常習化しているということです。

ここまでを読んでいて「そもそもなぜ”出来ないやつ”なのに現場に入れるの?」と感じた人もいるのではないでしょうか。

その理由がまさに現場社員との面接で経歴詐称をしているから。

未経験なのに「〇〇で3年間実務を行っておりました」と嘘を付いて現場に入るのです。そんなことしちゃダメだろうと感じる気持ちは分かりますが、これがSESの実態。

こう言う僕自身も最初は会社に経歴詐称を強制させられて現場に入りました。

その結果、3日間で切られるという現実が待っていたのです。ま、そりゃそうだろうという感じですが。

SES会社としては、とにかく人を現場に突っ込めばお金が入るのでこういった経歴詐称が常習化するんですね。で、当の会社は社会的な信頼を失わないよう現場との間に複数社挟んでいるのです。

入ってきた人が嘘を付いていたことがバレたとしても責任から逃れられるように。

やっていることは非常に姑息なのですが、これが事実。

もちろん中には経歴詐称をしない真っ当なSES企業もありますので全てのSES企業の企業に当てはまるわけではありません。

考え方次第では大きなメリットがあるのも事実

就職

こんな黒い部分しかないようなSES業界ですが、考え方次第では大きなメリットもあります。それが以下の2つ。

メリット①:超加速度的に経験値が貯まる(現場次第)

メリットの1つ目として、現場によるのですが急速に経験値を得ることができます。とくに経歴詐称を強制されて現場に入った場合、良くも悪くもいきなりコードを書けますから未経験者としてはありがたいこと。

ただし全くコードが読めない場合は何の経験も積めず即切られる可能性も高いですが、、

メリット②:「未経験」という肩書きからほぼ確実に脱することができる

エンジニアで稼ぐには経験年数が非常に大切。

経験年数皆無の未経験状態で自社開発企業に入ろうとしてもほとんど現場に採用されず、いつまで経っても未経験のまま仕事の無い日々を過ごすことになります。

世の中エンジニアが不足していると言っても、未経験者が誰でもエンジニアになれるわけではないのです。

これだけ日本中プログラミングブームの最中にいるのにエンジニアが不足しているということは、言い換えれば「優秀なエンジニアが不足している」という意味。実力の無い未経験者はエンジニアとしてカウントすらされないのです。

でもSES企業は未経験者でも採用されやすく現場にも無理やり突っ込まれるため、とりあえず未経験という肩書きからは脱することができます

とにかく早く現場経験を詰みたいのであればSESは手っ取り早いです。

SESのデメリットも覚えておこう

PC

SESのデメリットについてもお話します。

デメリット①:配属される現場の良し悪しは運頼り

SESでは常駐する客先を会社が勝手に決めてしまうため、配属先の良し悪しは運頼りになります。当たりを引けば働きやすい環境にいられるし、ハズレを引けばストレスまみれの環境にいることになるということです。

人間関係についても配属されるまでどんな人がいるのか分かりません。

ある程度経験を積めば現場を選べるようにもなりますが、未経験では完全に運になります。

デメリット②:基本的に現場での教育はナシ!自力でしがみつくしかない

すでに触れた内容でもありますが、現場の人たちは即戦力を求めてSES企業に求人を出しています。つまり、もちろん現場での基礎教育はありません

教育などのコストを排除するためにSES企業を利用しているので当たり前と言えば当たり前ですね。

なので特に経歴詐称で現場入りした場合は必至にしがみつくしかないです。最初はしがみつくことすら不可能かもしれません。

何事も最初が一番ツライ、と自分に言い聞かせないとやっていけません。

SESで仕事を乗り越えるための3つの考え方

時計

こんな感じで基本的にしんどいSESですが、乗り越えるための考え方も覚えておきましょう。

最速で失敗を繰り返して経験値を貯める場所だと考える

最速で失敗して、最速で切られて、最速で経験値を貯める場所だと考えましょう。いろいろな現場に入れることがSESの他にはないメリットでもあるので、どんどん失敗してOKです。

長期的な目線で見れば、少しでも早く経験を積むことは大きなメリットです。

現場を切られても仕事が無くなるわけじゃないと気楽に考える

SESの場合現場の他に自分を雇用している会社があるので、現場に切られたところで仕事が無くなるわけでもなく収入が停止するわけでもありません。

切られたら再度他の現場に行くだけ。

ミスしても仕事を失うわけじゃない、と考えれば少しは気楽になれるのではないでしょうか。

とにかく経験年数を稼ぐことを考える

エンジニアは経験年数が大事。とくに後々フリーランスになった際には経験年数が収入額に大きな影響を及ぼします。

最初は未経験で何もわからずツライことばかりだと思いますが、毎日着実に経験日数は積み上がっていきます

3年くらい現場で経験を積んでフリーランスになれば少なくとも月収60万円くらいには手が届くと思うので、とにかく経験年数を稼ぐことを目標にするのも手です。

年齢別によるエンジニアへの選択肢

ここまでSESについてメリットもデメリットもお話してきましたが、できるのであればSESは最後の選択肢にして自社開発企業を探すのがベストだと思います。

20代は独学しつつ自社開発企業を探すべし

20代前半などの若いうちにエンジニアを志す場合はいきなりSESに入らずしっかりした自社開発(または受託開発)をしている企業に入ることをおすすめします。

なぜなら、自社で開発できるのであれば先輩社員などがみっちり基礎から教えてくれるからです。

SESのように誰も教えてくれない環境よりは働きやすいですし、実力も着実に伸びていきます。なので若いうちは自分で独学しつつポートフォリオを作って自社開発企業へ就活していきましょう。

30代以降で未経験の場合はSESで無理やり実績を作るべし

30代以降の未経験者でエンジニアを目指す場合に限ってSESを選択しよう、というのが僕の意見です。というのも、30代の未経験者を自社開発企業が採用する可能性はとても低いから。

言ってしまえば消去法ですね。

もちろん30代未経験でも自社開発企業に就職できる可能性はゼロではありませんが、相当厳しいと理解しておきましょう。

自社開発企業を探して時間を浪費するよりは、サクッとSES企業に入って力技で実績を作って今後のための経験値を貯めていくことをおすすめします。

【まとめ】SESはあなたの状況次第では最善の選択にもなる

今回は僕が実際にSESとして現場で働く上で体験したことをお話してきました。

ネットで調べると「SESは悪だ!」という意見が多く正直同意見ではありますが、考え方や年齢によってはエンジニアとして現場経験を積む最善の選択肢にもなります。

  • 少しでも早く現場での経験値を積みたい人
  • 年齢的に自社開発企業への未経験入社が厳しい人

こういった方はSESで働くのもアリですね。ただ、ずっとSES企業の社員として働き続けるのではなく、2~3年ほど現場経験を積んだ後はフリーランスとして働くことをおすすめします。

そのほうが収入も一気に跳ね上がります。

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